top of page

能にみられる前世の因縁とは・・

  • 執筆者の写真: 美千代  謡三昧。日々喜々。
    美千代  謡三昧。日々喜々。
  • 2021年6月14日
  • 読了時間: 2分

能「蝉丸」で、生まれつき盲目の蝉丸は父帝により逢坂山に捨てられます。


命じられた臣下は帝の仕打ちを悔しがりますが、


蝉丸は、

盲目となったのは前世の因縁だから

この仕打ちは、前世の罪を清算し

来世を救済しようとする親の慈悲だ

とたしなめます。


このように、能のお話では、

身に生じた悪いことは前世の因縁だと考える(言い聞かせる?)

場面が多くみられます。


そんな話を生徒さんとしていたところ


彼女の弁

「そう考えると楽なんですよ」


・・・・なるほど、確かに。


今の状況を、自分のせいだ、他人のせいだ、世の中のせいだ

と思いめぐらすより、前世の因縁だと割り切り(?)

今をどう生きていくかを考える方が生きやすいかもしれない。


特に能の多くの曲がつくられた600年以上前。

現代より、生い立ちなどに左右され、

自分の力ではどうしようもない物事が多かった時代。

あきらめとも取れますが、生きる知恵でもあったかもしれませんね。



先日、能「江口」の地謡を務めさせて頂きました。


仏の教えが盛り込まれた詞章が胸に響く曲ですが


僧の夢に出てきた江口の霊も、

この世は仮の宿だから心を留める(迷い、惜しむ)な・・と伝えます。


そんな彼女も生きているうちは、


遊女である身を哀しみ、

人の移ろいやすい心を嘆き、

自らの執着する想いに迷うのですが、、、



ことに今は思い悩むことが多い日々が続きますが、

少しでも前向きに生きるようにしたいものですね。


#江口

#蝉丸

#能

#前世

#輪廻

Comentários


bottom of page