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執筆者の写真美千代  謡三昧。日々喜々。

鍾馗さまの疫病退治~あの絶世の美女を救う~


話題の鍾馗(しょうき)さま、ご存じですか。


現代の疫病「コロナ」退散にため、

鍾馗さまの像が

各地で公開されているようですね。


鍾馗さまは五月人形としてもおなじみ

長い髭とぎょろ目が特徴です。

邪気除けや学業成就の神として

節句に飾られる鍾馗像ですが、

もともと疫病をもたらす疫鬼を

退治する鬼神だそうです。


唐の玄宗皇帝が瘧(おこり、マラリア)に罹かったとき、

鬼となった鍾馗が病鬼を捉え食らう

夢を見て、覚めたら病が癒えていた。

との中国の伝説からきているそうです。


この鍾馗さまを主人公とした

「皇帝」という能があります。


能「皇帝」では、

玄宗の寵妃「楊貴妃」が病魔におかされます。


玄宗が楊貴妃を見舞っていると

鍾馗の亡霊が現れ、

病人の枕元に明王鏡を置くよう告げます。

明王鏡により病鬼が姿を現すと、

馬で駆け付けた鍾馗が逃げ惑う悪鬼を捉え、

利剱でずたずたに斬り放ち、

楊貴妃は平癒します。


病鬼を食らうとか、ずたずたに斬るとか

容赦ない気もしますが。

相手は疫鬼ですから壊滅ですかね。


「コロナ」も、

先端技術を駆使した明王鏡によって

1日も早くその姿が露わにされることを

祈っています。


♪鍾馗の精霊馬より下り立ち、

 利剱をひっさげ袂をかざし、

 明王鏡に向かい給えば、

 鬼神の姿は、隠れもなし。♪

       能「皇帝」より



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