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  • 執筆者の写真美千代  謡三昧。日々喜々。

地謡をエイトビートで謡う?


私はもともと音楽的な才能がない。


子供の頃の通知表でも

『音程がとれない』と記載されたことがある程


まあ、これは人見知りが激しいため

人前で大きな声を出せなかったということもあると思うのですが。。


それでも趣味で始めた「謡」で

声を出す楽しさを知り

大きな声を出せば音程も取りやすいこともわかってきました。


さて、拍子についてですが

趣味で謡っているときは囃子もなく、

自由にのびのびと謡わせてもらえます。


ノリでコケてもご愛嬌。


ところが、玄人になり、

舞台で地謡を勤めさせて頂くとなると

そうもいかなくなりました。


能は、基本的に八つ拍子で構成された音楽劇です。

ここに、七五調で作られている詞を

調子よくあてはめていきます。


つまり、八拍を裏表で16分割し

例えば1、3、7文字目のところに間を設けるなどし

12文字をあてはていきますが、


それだけではなく、

1拍め直前から入る

八拍だった拍数を途中で切り替える

言葉によっては多くの拍数をとる  など

いろいろな技法を使いながら

独特の調子を作っていきます。


師匠には「このエイトビートにのせてね。」と言われますが

リズム感の悪い私はその都度、四苦八苦。


頭で考えてもついていけないので、

先生方のテープを繰り返し聞き、

舞台では、とにかく全身を澄ませ、

地頭に必死についていく。


ただ、この謡と囃子が紡ぎだす調子は、

主役の心情により添い、

劇中の場面を絶妙に盛り上げていきます。

そして、聴く人の心にも

何ともいえない心地良さを与えるのです。


これを体感してしまうと、”やみつき”になりますよ。

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